部分矯正
部分矯正
部分矯正は全体的に行う矯正治療に比べて治療期間があまり長くかからず、費用を抑えられます。治療期間は、一般的に上の前歯だけを矯正する場合は1年程度です。
ただし、部分矯正が適用される症例は限られているため、充分な診査・診断が必要です。
部分矯正のメリットとデメリット
部分矯正は、治療したい箇所だけを期間短く治療できる方法ですが、いくつかの注意点があります。必ず、部分矯正と全体矯正のメリット・デメリットをご理解の上行うようにしてください。当院では、じっくり検討しご納得いただいた上で治療に当たります。
部分矯正が適用されるケース
●以前矯正治療を行ったが、その後若干後戻りした
●前歯に隙間があって、その部分だけを治療したい
メリット
- 装置が部分的で済むため、装置の違和感を覚えにくい
- 治療期間が歯全体を矯正する場合と比べ短い
- 本格的な矯正治療に比べて費用を抑えることも可能
- ご本人の望むところだけ治療できる
デメリット
- 咬み合わせが治療前より咬み難くなる場合がある
- 患者さまの症状により、向かない場合がある
- 咬み合わせによっては後戻りしやすい場合がある
矯正治療のゴールは「理想的な咬み合わせ」にあり、部分矯正という一部分だけでは咬み合わせ機能の向上に至らない場合がほとんどです。ご自身ではなかなか判断が難しいですが、基本的にご自身の矯正治療は、全体的な矯正治療が必要だということを前提にお考えください。
成人矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さまの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がること(歯肉退縮)があります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 喫煙は、歯の動きが悪くなり、治療期間が延びる可能性があります。
- 歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと、後戻りの生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 矯正治療後、ブラックトライアングル(下部鼓形空隙)が出来る可能性があります。
- 治療後に顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。