小児矯正よくあるご質問・ご相談(Answer)
Q1. 小児矯正は何歳から始めるのが良いですか?
上下の前歯4本と奥歯が永久歯に変わった頃(小学1年~3年生くらい)が理想です。
従って、当院では未就学から始めることはまずありません。矯正治療の開始は小学校入学後で充分間に合います。
Q2. 小児矯正治療の終了はいつですか?
永久歯列が完成するまでです。
小児矯正は成長期を利用して歯と顎のバランスを整えて、歯を抜かずに済む環境を整える治療です。従って永久歯列が完成するまでが治療期間です。永久歯列の完成時期は個人差があり、大体10~15歳くらいです。
Q3. 小児矯正で歯並びや咬み合わせが改善されますか?
小児矯正治療は、歯と顎のバランスを整えて歯を抜かずに済む環境を整える治療です。
従って、歯並びや咬み合わせをきちんと治す場合には成人矯正への移行が必要です。
Q4. 小児矯正を始めると、必ず歯を抜かずに済みますか。
成長期の骨の成長を利用して治療を行いますが、『100%歯を抜きません』とは断言できません。
治療を行っても思った以上に顎が広がらない場合や、予想以上に大きな歯が生えてきた場合、また患者さまが装置の使用を怠った場合などは将来的に抜歯になる可能性があります。
Q5. 小児矯正で必要な装置はいくつくらい使いますか?
基本的に多く使われるのは、拡大床装置、ヘッドギア、咬合拳上板、咬合斜面板、上顎骨前方牽引装置、リンガルアーチ、機能的咬合誘導装置などが挙げられます。
但し、患者さまのお口の中の環境や、成長状況、歯の生え代わりで装置の種類や数は変わります。
Q6. 小児矯正の費用はどれくらいかかりますか?
当院の矯正治療費は385,000円です。
治療開始から永久歯列完成までに必要な矯正器具すべてを含む料金です。別に検査料27,500円・診断料16,500円・月々の処置料5,500円がかかります。(いずれも税込:下記料金表参照)
Q7. 小児矯正を行えば、ワイヤーの矯正(成人矯正)は行わなくてもよいのですか?
小児矯正治療の目的は、きれいな歯並びや咬み合わせにすることではなく、歯を抜かなくて済む土台作りです。小児矯正治療で土台作りを行い、成人矯正治療に移行して初めて歯並びや咬み合わせの矯正を目指します。
Q8. Q7:から、小児矯正も行って、成人矯正も行うとなると費用は高くなるのではないでしょうか?
当院の成人矯正費用は715,000~1,155,000円(税込:下記料金表参照)です。
小児矯正からの移行ですと、小児矯正費用の385,000円を上記金額から引いた差額分です。つまり、成人矯正から行っても、小児矯正→成人矯正と移行しても矯正費用は同じです。
なぜ差額分になるかというと、Q3で説明したように小児矯正は歯並びや咬み合わせを治す治療ではないからです。
またQ4で説明したように、抜かない土台作りを目指しますが、必ず抜かないとお約束できないからです。
つまり、成人矯正治療に移行して初めて理想的な咬み合わせや歯並びが得られるのです。
Q9. 小児矯正は小学校低学年からではなく小学校高学年または未就学から始めれば、より短期間で費用も抑えられるのでは?
小児矯正の治療終了はQ2の通り「永久歯列が完成するまで」です。
小児矯正の開始時期が遅くなるにつれて治療期間が短くなりますので、将来的に永久歯を抜かないといけなくなる可能性が増える可能性があります。また装置の使用時間をできるだけ長時間使用するなど患者さまご自身の負担が非常に大きくなります。
私どもが何を基準に治療方針を立てるかというと、奥歯(第一大臼歯)の咬み合わせの位置と前歯の大きさから判断します。早く始めても、終了時期(Q2)は同じなので治療開始の時期としてはQ1が理想です。
Q10. 子供が矯正の痛みに耐えられるかが心配なのですが?
小児矯正治療中は痛みは感じにくくなっています。装置装着後の2~3日違和感があると思いますが『痛くて我慢できない』ことはありません。
Q11. 装置が当たって痛い。
装着出来ないくらい痛みがある場合は、使用を中止し早めに来院してください。装置を使わない時間が長くなると後戻りします。
上下別々の装置の場合は、痛みがない方は使用を続けてください。
Q12. 装置が少し欠けてしまった。亀裂が生じた。
装着時に痛みや違和感がなければそのまま使用を続けて下さい。
もし、痛みや違和感、装置が入らない場合は早めにご来院ください。
Q13. 「乳歯が抜けました。」来院した方が良いですか?
乳歯が抜けても装置の装着に問題がないなら来院の必要はありません。もし、痛みや違和感、装置が入らない場合は早めにご来院ください。
Q14. 拡大床装置の回す向きが分からなくなった。
装置をよく見て頂くと、真ん中に矢印(↑)が見えると思います。矢印の方向に回してください。(表裏どちらから見ても矢印の方向は同じです)
Q15. 小児矯正を行わなければどうなりますか?
小児矯正治療をしないからといって、手遅れになるとか二度と矯正治療ができなくなるわけではありません。
中学生や高校生、大人になってからでも成人矯正治療は可能です。但し、中学生以上になるとほとんど永久歯列に生え変わっているため、歯並びや咬み合わせを治すにはワイヤーを用いた矯正治療が必要だったり、歯を抜かなければならないことがあります。
ですから、できるだけ抜歯を避けたいと考えているのであれば、小児矯正治療から始めた方が抜歯を避けられる可能性が高くなります。
小児矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感や違和感、軽度の痛みは、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
- 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さまの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 治療後に顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 骨格的な問題のある場合や予期せぬ成長のあるケースでは、外科的な対応が必要となる場合があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。