2021/04/23
前回のブログの最後に矯正歯科の選び方の8項目をお話ししました。
①.先生の人柄 ②.スタッフの対応 ③.治療方法 ④.診療時間と休診日
⑤.予約の取りやすさ ⑥.往復の通院時間 ⑦.費用 ⑧.院内の清潔さ
今回はその8項目を詳しくご説明していきたいと思います。
医院選びの基準は人それぞれですので、あくまでも個人的な意見です。賛否はあると思いますので、参考程度にお読みください。
尚、今回の医院選びの基準を「日本矯正歯科学会認定医以上の資格がある矯正を専門とする歯科医院」を前提としてお話しします。
①.先生の人柄
ここが医院選びの一番重要なところでしょう。矯正治療は長期に渡るので信頼関係が大切です。治療は人が人に行うことですから相性はあります。相談時に雑談も含めよく話してください。誠実さはもちろん感性が合うかどうかも大きいです。
判断が難しい場合は、同じ質問を相談の際にしてみてください。各々回答は違うと思いますが、その回答がご本人の求める答えであったどうかで「話しやすさ」や「相性」は判断出来ると思います。
またブログあればブログも見てください。ブログには先生の人柄が表れているので、参考になると思います。
ご相談の際に、少しでも疑問や不満が残る場合は避けた方が良いでしょう。
②.スタッフの対応
治療が始まると、先生よりも接することが多いのはスタッフです。
相談時にスタッフと話すことは少ないと思いますが、待合室での他の患者様とのやり取りや電話対応、院内での動き等をよく観察してください。
③.治療方法
この判断が一番悩むところだと思います。
各先生によって使用する装置が違ったり、抜歯する・しないなど治療法が違うとどれが正しいのか?と迷ってしまいますよね。
装置に関していえば、先生の好みだと思ってください。
抜く・抜かないは、治療の重点を置くところによって変わることがあります。
ですから、装置や抜く抜かないなど、「どうしてこの装置を使うのか?」「どうして抜くのか?」「抜かないとどうなるのか?」をよく聞いてください。
これは、どれが正しくどれが間違っているではなく、どの先生の治療法がご自身にとって納得でき共感を持てるかです。
最近多いのは「安さを売りにする」、「夜寝ている時だけでいい」、「小学生の間に終わる」など安価・簡単・楽を謳った医院は注意が必要です。
矯正治療は医療行為です。ここをお忘れなく。
治療方法に少しでも疑問や不満が残る場合は避けた方が良いでしょう。
④.診療時間と休診日
医院の休診日・診療時間を確認しておきましょう!
休診日が仕事、習い事、部活等の休みと重なっていないか、診療時間内に通えるか?
相談時は「早く始めたい!」と矯正モードが強く、ここが案外見落とされがちです。
長期間通うことになるので、先を見据えてよく確認しておいてください。
⑤.予約の取りやすさ
矯正治療は基本的に1か月毎の診療になります。受診日に診療を受けると、会計時に来月の予約をお取り頂くことになります。つまり、1か月先のスケジュールが把握できないといけません。
患者さんの中には、「シフトが2週間先までしか出ない。」、「1か月先の予定が読めない。」、「部活の練習が遅くまである。」など1か月後の予約が難しい患者さんもいらっしゃいます。その様な状況で、1か月毎の通院が可能かどうかの確認は必要です。但し、実際のところ急な予約の変更は難しい医院が多いと思われます。ご自身で1か月のスケジュール管理は必要です。
また急患時の予約対応も確認してください。治療の来院は1か月毎でも、装置が外れた、当たって痛いなど、不測の事態が起こることがあります。その際に、当日に診てもらえるのか、医院によっては、当日の対応が難しかったりする場合があります。
⑥.往復の通院時間
矯正治療は1か月毎だから多少遠くても…。と思うかもしれません。
ただ装置の脱離、痛みや違和感等、急患で予約日以外で通院することもあります。
何かあった時にすぐに行け、行くことに躊躇しない場所にあるのか。年単位で通院しなければいけないことをよく考えてください。
⑦.費用
大きな費用だけで判断しがちですが、保定装置代、急患時、装置再製作費、レントゲン撮影時、依頼書、診断書等別途費用が必要な場合もあります。これは医院によって大きく変わり、且つ表向きに出てこない金額です。
パッと見は安く感じても、保定装置代は別だったり、急患時に費用が掛かったり、装置の再製作費が高かったり、検査以外で撮るレントゲン撮影費が掛かるなど医院によって料金設定が違うので、「どのような場合に追加費用がいくら掛かるのか?」確認しておいた方が良いと思います。
⑧.院内の清潔さ
滅菌や消毒はしっかりされているのか?
気になるところですが、これも実際に確認は難しいです。
ただ、衛生面は院内を見ればある程度分かります。
新しい医院は綺麗で、昔からある医院は汚いとか経年劣化的なところではなく、「院内の掲示物が剝がれている。」「何年も前のものが飾られている。」「置かれているものに埃がかぶっている。」「雑誌が古い」などちょっとしたところに目を向けてください。
細かいところに気付ける医院は滅菌や消毒に関してもしっかりなされているでしょう。
①、②、③の対応で、良し悪しの決まると言って過言ではないと思います。但し、これは個々の感性に大きく委ねられます。また良さそう・怪しそうなどのご自身の嗅覚も必要です。
⑧は、特に衛生面を気にされる方は注視してみてください。
④、⑤、⑥、⑦は一回の相談時だけでは見え難く、通院して感じるところだと思います。特に予約は重要なところです。始めたところ、「なかなか次の予約が取れない。」と感じる方もいらっしゃいます。後悔しない様に、事前にしっかり確認してください。
良い矯正歯科に巡り合うには、患者さん側の知識武装も大事です。
知識といっても、専門的な知識ではなくその医院の特徴や理念、矯正治療の考え方などの知識です。
では、「どうやって知識を得るのか?」
一番簡単な方法は、各歯科医院のホームページをよく読むことです。ホームページは先生のお考えを反映しているところです。そこに矯正治療についての考え方や治療法、医院の特色、理念が書かれています。分からないなりにも一度目を通してください。いくつか読み込んでいくと、そこから疑問が生まれたり、他院との比較が分かってくると思います。
またホームページを見て「分かりやすい」と感じたなら、その医院は相性は良さそうだと言えます。逆に「分かりにくい」と感じたなら伝え方と伝わり方に差があるので相性は良くないかもしれません。ホームページだけでもある程度判断は出来ると思いますので、しっかり読んでみてください。
「良い矯正歯科」・「悪い矯正歯科」で分けるのではなく、ご自身の感性やライフスタイルに合う医院探しだと思ってください。
矯正治療を受けられる皆様が前向きで有意義な矯正ライフを過ごせることを願っております。